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- 放射性物質測定用遮蔽体の効果についてCreated 2012-01-25T23:56:06+09:00 LastModified 2012-01-26T22:23:20+09:00
放射性物質測定用遮蔽体と試料容器についてで、記述した遮蔽体の効果判定をしてみた。
バックグランドの遮蔽効果
まずは、ブランクでの比較結果でバックグランドからの放射線をどれだけ遮蔽できているかを確認してみる。
測定条件は以下全て18000秒である。このスペクトルは、最大値ピークでスケールが変わる対数グラフである。
パルス数比では95%以上の遮蔽性能という結果だった。
遮蔽無しでは、環境中にある放射性セシウムの影響でピークが見えるが、遮蔽するとピークは見えない。試料のセシウムなのか環境由来のセシウムなのかが区別できそうである。
なお、遮蔽では80 keVあたりにピークがあるが遮蔽体である鉛が出す特性X線らしい。これは銅の内張りなどで対策が可能らしい。今後の検討課題である。
明らかに放射性物質であるものを測る
ランタンのマントルを遮蔽体ありなしで測った結果がこれだ。
あまり違うようには見えない。
なお、このマントルはサーベイメータに近づけると0.4 μSv/h程度の表示になる。こういうものを測る際は遮蔽体は無意味かもしれない。
やさしお
PRA(4.0)を使ってこのようにスペクトルを測るには、パルスピーク高とエネルギーを関連付けてやる必要がある。
私は、入手が容易であったマントルに含まれるトリウム(232Th)の娘核種の出す複数のピークを元にこの関連付け――エネルギー校正――を行っているが、他に自然界によくある放射性物質といえば40Kがある。
40Kは自然界のカリウムに一定の割合(0.012%)で含まれており、カリウムを測れば、その割合で含まれる40K由来のガンマ線を検出できる。
そこで、入手が容易なカリウム源として、やさしおがよく使われている。
やさしおを測れば、1460 keVが確認でき、また、物理量がわかっているため、定量を行う際のソースとしても使うことが期待できる。
しかし、遮蔽体なしでは環境放射線にまぎれてしまい、まったくピークが確認できなかった。
そこで、環境放射線を遮蔽することによって、やさしおのピークが確認できるのではないかと期待して、測定をしてみた結果が以下のものである。
嗚呼……、まったくピークが見えないではないですか。orz
この測定では、放射性物質測定用遮蔽体と試料容器についてでも説明した小容量用容器を使用して測っている。
そう、試料が少なかったせいである。と、思い、大容量容器として用意したU-8容器にやさしおを詰めて測定したものがこれだ。
嗚呼、嗚呼……、やさしおのやさしいピークは、まったく検出されませんでしたとさ。orz
しかし、ブランクとの比較では明らかにパルス数が増えている。また、1000 keVあたりに微妙にピークが見えるようになったではないか。
これはつまり、私の計測器は、確かに40Kの出す放射線を検知している。ということだ。
しかし、これは光電効果によるものではなく、コンプトン効果を拾っているようである。また、カリウム由来を測りたいのはエネルギー校正を目的としているので、まったく使いものにはならない。
やはり、私の1インチウェル型の検知器の限界のようだ。物には、向き不向きがあるものなので、あきらめるべきだろう。
放射性物質が入っているかどうかわからないものを測る
さて、いよいよ実際に「これには放射性セシウムが入っているか」という測定をしてみる。
まず、試料その1「スギの花芽」。都内某所で採取した採れたて新鮮な今年のスギの花芽である。
今年のスギの花粉には放射能が含まれていて危険ではないかという話があるが、実際観測できるものだろうか。
どうやら放射性セシウム由来のピークは見えないようだ。
この機器で検出可能なレベルでは放射性セシウムは含まれていないようだ。
続いて、試料その2「近所の土ぼこり」。都内某所の道の端っこ(L型街渠)に溜まってた土をかき集めたものである。
これならばきっと、放射性セシウムが含まれているに違いない。ただし、この土はこの地域の汚染状況を確認するサンプルはないので注意。どれくらいの面積から集まって溜まった土ぼこりであるかが不明なためである。
(現在測定中)
- 放射性物質測定用遮蔽体と試料容器についてCreated 2012-01-24T04:32:07+09:00 LastModified 2012-01-25T23:56:02+09:00
鉛ブロック
以前書いた購入機器・資材(その1)で、放射線遮蔽資材として、鉛レンガ(鉛ブロック)を購入することを予告していましたが、ついに買いました。
- 購入先:三光金属株式会社
メールで見積もりを依頼したところ、ネットで調べた一般的な価格よりかなり安かったので決めました。
200×100×50 mm(20 cmブロック)が5k弱、100×100×50 mm(10 cmブロック)が2.5k弱でした。(平成24年1月時点)
20 cm×4、10 cm×2を購入。
取引は、親切、丁寧、迅速、安いと至れり尽くせりで、とても満足できる会社でした。
その他の材料
- アルミテープ(5cm幅)
- OPP透明テープ(5cm幅)
- 5cm幅1cm厚10cm長の木切れ、適当に24本程度
- 600×6×200 mmの適当な板
- アルミシート
当初、傷保護、鉛汚染防止を目的に鉛ブロックをアルミテープで巻いてしまおうと考えていましたが、10cmブロックを1個試しに巻いたものの、透明テープの方が巻きやすく鉛の質感が見えていいかと考えて、残りのブロックは透明テープで巻いています。
木切れは、ホームセンターの袋詰め放題でいくらという売り方をしていたもので、300円くらいだったか。近所のホームセンターの5cm幅の木切れは全部いただいたので、当分はありませんw。鉛ブロックの組み合わせ構造上、ブロックだけでは自立できないので支えが必要になることと、ケーブル引き出し用の隙間を開けるために使用しました。
板は100円ショップで購入。ブロックや木切れで積み上げただけでは、ちょっとした地震や接触事故で崩れて、床や機材を破壊する可能性があったため、崩れ防止用の囲いとしてのこぎりで切って使用。
アルミシートは流し台の下に敷いたりする用ので、床の保護材として使用。これも100円ショップで購入。
外観
こんな感じである。構造
20 cmブロックを縦に積んで囲んだ形にした。内径は5.5×5.5 cm。ずらさずに積めば内径は5 cm角になるが、わずかにブロックをずらしてあることで5.5 cm角としている。
プローブは上からエントリーする。ちなみに、20 cmブロックの下には、高さ5 cmの木切れ層があり、その下に10 cmブロックが敷いてある。外部からシンチレーターの放射線検知部へは、5 cm厚の鉛層がある構造になっている。(詳細な構造図はまた今度)
試料容器
U-8容器はゲルマニウム半導体検出器などのプロ用の機材での測定にも用いられており、入手性や将来の定量測定を見越して、比較的大容量(100 mL)の定型の測定用の容器としてこれを選んだ。ちなみに土壌を採取しての測定では、これを地面に突き刺して土壌を採取すると、採取面積がわかっているので面積あたりや重量あたりのベクレルを測ることが出来、環境の汚染状況を測ることを目的とした土壌測定ではこの容器を使って採取していたりするようだ。
ちょうどぴったり入るサイズである。内径を5.5cm角にしたのは、U-8容器が入るようにするためで、本来U-8容器そのものは外径5 cmなんだが、蓋が5.5cm径となっているためである。
プローブがウェル型なので、小容量の試料で測定が可能である。そのため、穴のサイズである17 mmにちょうどフィットする外径16.5 mmのスクリュー管(5 mL)を使用している。電源と試料のケーブルを外に出すため、蓋の10 cmブロックでケーブルが潰されないように木切れでスペースを作っている。測定環境の汚染防止には、試料容器はビニール袋に入れ測定毎に交換するのがよいのかもしれないが、室内を汚染防止環境にすることはできないので、そこまではしていない。環境試料や食品試料などを扱う際は試料容器をきれいに拭くくらいはした方がいいかもしれない。
今後の予定
としては、内部に銅板の内張りをすることで、鉛由来の放射線を低減させたりとかも検討していきたいと考えている。
- [放射熊]購入機器・資材(その1)Created 2012-01-09T02:06:53+09:00 LastModified 2012-01-09T04:14:55+09:00
ガンマ線ディテクタとそのドライバ
ガンマ線スペクトロメトリを行うことを目的にeBayで以下の品を購入した。(2011/12/12に注文、同20日に到着)
これは、1インチNaIシンチレーターとそのドライバーのセットで、シンチレーターは少量の試料を測定しやすいように、試験管をセットする穴が開いており、NaI結晶はそれを囲うような形になっているらしい。そのためNaI結晶が薄く低エネルギーのガンマ線やX線の感度は良好だが、高エネルギー(700 keV以上)のガンマ線に対する感度が低いようだ。試料の測定にはバックグラウンドのガンマ線遮蔽が必要とのこと。
PC
場合によって持ち出しての測定も考えていたので、専用とするPCを導入することとした。
- Acer ASPIRE one D257-N71B/KF MSオフィス2年ライセンス付で\19,800
安ッ!ジャンパラ新宿店で購入したミニノート。いわゆるネットブックというやつ。壁紙も変えられないWindows7 Starter搭載である。もちろん変えられるように修正。メインメモリを1GBから2GBに換装(\500位)。スペクトルを取得するためのソフトウェアであるPRAの設定画面が縦長で、画面内に操作に必要なボタンが表示されないという事態になったが、タスクバーを隠すことで対応できた。安かったのでかなり満足。
放射線源
シンチレーターはガンマ線のパルス一つひとつのエネルギーをパルス高で出力することが出来るが、そのパルス高とエネルギーを関連付ける、いわゆるエネルギー校正をする必要がある。エネルギー校正のためには、核種が判明していてガンマ線を放出する線源が必要であるので、以下の品を用意した。
- ランタンのマントル CAPTAIN STAG M-7910(放射性物質であるトリウム含有)
- 味の素のやさしお(カリウム含有のため一定の40Kを含む)
本当ならしっかりと校正してある標準線源があったほうがいいんだろうが、その後の始末に困るようなものを入手するのもどうかと思うので、入手が困難でなく、また、廃棄も困難でないものを用意した。
マントルには放射性物質であるトリウムが含有してあるものがある。トリウムの崩壊に伴いトリウム系列の核種から様々なガンマ線が放出されており、複数のスペクトルのピークが確認できる。結構くっきりしててわかりやすいが、どのピークがどの核種なのかがよくわからない。ひょっとしてうちのシンチレータはパルスピーク長とエネルギーが単純に比例関係ではないのだろうか。
参考:Thorium lantern mantle spectrum
40Kは1460 keVのガンマ線を放出するが、シンチレーターのエネルギー感度特性ゆえか、遮蔽がないためか、環境放射線にまぎれてそのピークはまったく確認できない。早く遮蔽環境を作らなくては……。
また、汚染土壌の放射性セシウム(134Csと137Cs)を利用してエネルギー校正をすることも考えているが、幸いなことに身の回りの土壌は余り汚染されていないので、もっと汚染されている土壌を採取してこないと使えない。
放射線遮蔽資材
試料の測定を行う場合、環境中の放射線を遮蔽して試料からの放射線と区別することが出来るようにしなければならない。ということで、放射線の遮蔽用資材を購入。
- ウォータータンク 20L WAT-20L(余り効果的ではない)
ペットボトルに水を入れて並べることで空間放射線量率を半分に出来たという話もあったので、もっと分厚い30cm厚であれば、更なる遮蔽ができると期待したが、環境ガンマ線をパルス数で2割くらいしか遮蔽できてない。
やはり、鉛レンガを購入しなければならないだろう。
試料容器
シンチレーターが試験管サイズの試料容器に対応しているので以下の品を購入。
- スクリュー管 5 mL(外径16.5 mm)
東急ハンズで購入。穴のサイズが重要である。大きすぎる容器は穴に入らない。というか色々買ったが入らなかった。小は大を兼ねるが、大は小を兼ねない。小さすぎる容器では試料が少なくなり、ピークが小さくなり検出限界が上がるかもしれない。ということでジャストサイズが望ましい。
